最近、保守論壇誌と目される月刊誌において、ある保守を標榜する国政政党に対し、批判を展開する論考が掲載されるようになった。
そうした論争の渦中にある、保守と呼ばれる人々の動画を YouTube で見ることもあるが、彼らに恐らく共通すると思われる傾向がある。それは、比較的最近の保守論壇のことしか知らないか、あるいは自分に近しい範囲の論客などについてしか知らないのではないかと思われることである。
例えば、ある保守を標榜する政党から国政選挙に立候補した経験をもつ人は、当初は藤岡信勝氏や西尾幹二氏のことを知らなかったと言っていたように記憶する。また、国連でリベラル勢力に対抗して活動を展開する人は、動画のチャット欄に出てきた「小堀桂一郎」という名前について、知らないと言っていた。昭和の時代から活動している保守界隈の人から見れば、???という感じに見えるだろう。
そのようなところから考えると、今日の保守と呼ばれる勢力の中には、従来の流れとは異なる新たな勢力が生じているのだと思われる。そして、それら新旧の勢力が互いに交流し、大同団結するのなら良いのだが、実態はそうではなく、個々の勢力が自らの目の届く狭い範囲で活動し、専らその支援者との関係の中でしか情報の授受を行っていないように見受けられるのである。もちろん、彼らはネットの中で発信しているので、それは誰にでも見ることが出来るのであるが、実際には広く社会に周知されてはおらず、視聴者は極一部に限られている。だから、前述した政党の問題についても、恐らく論壇誌が取り上げて、それによって初めて知ったという人も多いのではあるまいか。そして、論壇誌がこの問題に関する論考を掲載しても、そもそも保守系論壇誌を読む人口が限られているのであるから、未だこうした問題は国民一般には認識が広がっていないと見てよいだろう。
もちろん、そうした新たな勢力の中には、黙々と地道に活動を行い、国内外で左翼勢力と対峙している人たちもいることは、銘記する必要がある。また、ネットでの情報の授受を基盤として、草の根的に地域に根差した活動を展開している人々もいるようだ。それらの活動は、従来の組織運動を基本とする保守勢力とは異なる形態であるが、ネットを活用した素早い情報発信と連携が可能な運動として、注目に値すると思われる。
さて、このように保守と見られている勢力において、新旧様々な流れがある現状を思うと、そうした流れについて、俯瞰してみることも若干の意味があるように感じる。そこで、戦後において、保守系であると一般的に思われている論客や活動家、学者、文化人などには、どのような人々がいるのか、思いつくままに以下に列挙してみることにする。
基本的に Wikipedia などで調べた生年順に列挙する。また、保守派の範疇に入るかどうか分からぬが、比較的近い人も含む。
保守系と一般的に認識されていると思われる人々(その近縁と思われる人も含む、敬称略)
※赤字は左翼からの転向者、青字は生長の家または日本青年協議会関係者、緑字は国民文化研究会関係者。
※個々の氏名の後に、分かる範囲で生年月を記載した。
※いずれの内容もネット上の情報から判断したので、間違いがあるかもしれないことを、お断りしておく。
佐々木惣一1878.3
大倉邦彦1882.4
三井甲之1883.10
出光佐三1885.8
緒方竹虎1888.1、小泉信三1888.5
朝比奈宗源1891.1
富岡盛彦1892.1
谷口雅春1893.11
平泉澄1895.2、蠟山政道1895.11
山本勝市1896.3、岸信介1896.11
里見岸雄1897.3、瀧川政次郎1897.5
安岡正篤1898.2
赤尾敏1899.1、笹川良一1899.5、木内信胤1899.7、池田勇人1899.12
高坂正顕1900.1、西谷啓治1900.2
佐藤栄作1901.3、岡潔1901.4、浅野晃1901.8、坂本太郎1901.10
田中美知太郎1902.1、河上徹太郎1902.1、小林秀雄1902.4、斎藤忠1902.12(国際政治評論家)
大石義雄1903.1、加瀬俊一1903.1、石田和外1903.5、林房雄1903.5、竹山道雄1903.7
桜田武1904.3、源田実1904.8
高山岩男1905.4、田中忠雄1905.9
田中清玄1906.3
山岡荘八1907.1、清水幾太郎1907.7、副島羊吉郎1907
気賀健三1908.10
葦津珍彦1909.7
法眼晋作1910.2、保田與重郎1910.4、影山正治1910.6、下村治1910.11、宇野精一1910.12
田中正明1911.2、児玉誉士夫1911.2、瀬島龍三1911.12
福田恆存1912.8、関嘉彦1912.11
林健太郎1913.1、副島廣之1913、鈴木重信1913?(元神奈川県教育長)
小田村寅二郎1914.3、武藤光朗1914.3、村尾次郎1914.9、猪木正道1914.11
山本夏彦1915.6、夜久正雄1915
会田雄次1916.3、勝部真長1916.3
中曽根康弘1918.5、戸田義雄1918.6
山本舜勝1919.2、中村菊男1919.11
塚本幸一1920.9
山田輝彦1921
小野田寛郎1922.3、佐伯彰一1922.4、西義之1922.5、末次一郎1922.10
名越二荒之助1923.3、千玄室1923.4、金城和彦1923.7(国士舘大学元教授)、三波春夫1923.7、小田村四郎1923.10、石井公一郎1923.11、田中卓1923.12、小柳陽太郎1923
高田好胤1924.3、板垣正1924.7、岡野弘彦1924.7、鶴田浩二1924.12
三島由紀夫1925.1、中川一郎1925.3、鈴木明1925.10
三浦朱門1926.1、加藤寛1926.4、渡邉恒雄1926.5
神谷不二1927.1、小林昭三1927.3、塚本三郎1927.4、三好達1927.10、佐藤和男1927
勝田吉太郎1928.2、田中健五1928.6
黛敏郎1929.2、村松剛1929.3、松原正1929.12
三宅久之1930.1、竹村健一1930.4、岡崎久彦1930.4、渡部昇一1930.10、俵孝太郎1930.11、日下公人1930.12、佐々淳行1930.12
岡田英弘1931.1、すぎやまこういち1931.4、芳賀徹1931.5、平川祐弘1931.7、曽野綾子1931.9
屋山太郎1932.6、佐藤誠三郎1932.7、竹本忠雄1932.7、村上正邦1932.8、石原慎太郎1932.9、伊藤隆1932.10、木村治美1932.11、江藤淳1932.12
香山健一1933.1、田久保忠衛1933.2、小林正1933.4、小堀桂一郎1933.9、目良浩一1933.10
金美齢1934.2、山崎正和1934.3、中村粲1934.4、佐藤欣子1934.4、高坂正堯1934.5、佐瀬昌盛1934.12
野村秋介1935.2、西尾幹二1935.7、志水速雄1935.9、入江隆則1935.9
西岡武夫1936.2、加地伸行1936.4、中嶋嶺雄1936.5、亀井静香1936.11、加瀬英明1936.12
森喜朗1937.7、西原正1937.8
伊藤憲一1938.3、村松英子1938.3、ヘンリー・スコット・ストークス1938.6、井尻千男1938.8
西部邁1939.3、渡辺利夫1939.6、平沼赳夫1939.8、安東巌1939
津川雅彦1940.1、中山恭子1940.1、西修1940.6
古森義久1941.3、杉原誠四郎1941.7、黒田勝弘1941.10、所功1941.12、西鋭夫1941.12、茂木弘道1941
田中英道1942.2、山東昭子1942.5、高池勝彦1942.8、花田紀凱1942.9、今谷明1942.9、大原康男1942、髙山正之1942、長尾一紘1942
山口二矢1943.2、中山成彬1943.6、鈴木邦男1943.8、竹花光範1943.10、藤岡信勝1943.10、小山孝雄1943.12、持丸博1943
阿羅健一1944
東郷茂彦1945.1、福地惇1945.3、森田必勝1945.7、櫻井よしこ1945.10、岡本行夫1945.11、椛島有三1945、中川八洋1945
長谷川三千子1946.3、宮崎正弘1946.7、百地章1946.10、田村秀男1946、渡辺和靖1946、松井嘉和1946、佐藤和夫1946(元陸上自衛官)
中西輝政1947.6、伊藤哲夫1947.9、衛藤晟一1947.10、東中野修道1947.10、古賀勝次郎1947、山下英次1947、松本淳一郎1947、皿木喜久1947
松浦芳子1948.2、西村眞悟1948.7、田母神俊雄1948.7、北村稔1948、犬塚博英1948、阿部雅美1948、髙井康行1948?
浜谷英博1949.4、水島総1949.6、やしきたかじん1949.10、森田健作1949.12、佐伯啓思1949.12、仲間均1949、室谷克実1949
矢野義昭1950.1、阪本是丸1950.2、山谷えり子1950.9、高橋史朗1950、西村修平1950、占部賢志1950、松木国俊1950
村田春樹1951.3、大石眞1951.8、石濱哲信1951
織田邦男1952.1、ケント・ギルバート1952.5、青山繁晴1952.7、藤井厳喜1952.8、宮脇淳子1952.9、古屋圭司1952.11、西村幸祐1952、田中秀雄1952
長谷川幸洋1953.1、新保祐司1953.5、古田博司1953.7、中川昭一1953.7、小林よしのり1953.8、宮家邦彦1953.10、田浦雅徳1953.11、名越健郎1953、布瀬雅義(伊勢雅臣)1953
惠隆之介1954.2、安倍晋三1954.9、渡辺惣樹1954
本田悦朗1955.1、渡部悦和1955.8、高橋洋一1955.9、世良公則1955.12、畠山圭一1955、椎谷哲夫1955、小柳志乃夫1955
坂元一哉1956.1、百田尚樹1956.2、北村晴男1956.3、西岡力1956.4、松原仁1956.7、荒木和博1956.8、竹内久美子1956、川口マーン惠美1956
岩田清文1957.2、島田洋一1957.10、松田学1957.11、富岡幸一郎1957.11、勝岡寛次1957、高森明勅1957、谷口智彦1957、秀道広1957?(広島大学名誉教授)、加賀孝英1957
山田宏1958.1、伊藤俊幸1958.3、門田隆将1958.6、新田均1958.6、西田昌司1958.9、上島嘉郎1958
加藤康子1959.1、兼原信克1959.1、岸信夫1959.4、片山さつき1959.5、松浦光修1959、内田智1959?(弁護士)、一二三朋子1959、荒谷卓1959
潮匡人1960.3、高鳥修一1960.9、福田和也1960.10、佐藤正久1960.10、三浦小太郎1960.11、打越孝明1960、小川清史1960
高市早苗1961.3、宮嶋茂樹1961.5、赤池誠章1961.7、田中秀臣1961.9、山上信吾1961.9
石平1962.1、長島昭久1962.2、八木秀次1962.3、山田吉彦1962.9、長尾敬1962.11、江崎道朗1962
萩生田光一1963.8、井上和彦1963.9
藤木俊一1964、佐々木類1964、小島新一1964?(「正論」元編集長)、山本優美子1964?、伊藤祐靖1964
城内実1965.4、赤尾由美1965.5、安達誠司1965.7、吉村剛史1965、有元隆志1965
阿比留瑠比1966.3、石橋文登1966、石井望1966
内藤陽介1967.1、杉田水脈1967.4、小川榮太郎1967.5、福島香織1967.5、中山義隆1967.6、坂東忠信(ときたひろし)1967、三枝玄太郎1967
濱口和久1968.10、藤井聡1968.10、川瀬弘至1968
上念司1969.5、木原稔1969.8、大高未貴1969
葛城奈海1970.2、桜林美佐1970.4、有村治子1970.9、田北真樹子1970
施光恒1971、佐々木正明1971、宮田昌明1971
桜井誠1972.2、半井小絵1972.12、藤井実彦1972
倉山満1973.12、仲新城誠1973
鈴木英敬1974.8、和田政宗1974.10、居島一平1974.10、小林鷹之1974.11
千葉麗子1975.1、飯田泰之1975.7、金子宗徳1975.7、竹田恒泰1975.10、近藤倫子1975.11、宇山卓栄1975
飯山陽1976.2
浜田聡1977.5、神谷宗幣1977.10、ジェイソン・モーガン1977
はすみとしこ1978.2
佐波優子1979
久野潤1980.8
渡瀬裕哉1981.11
塩入清香(saya)1982.7
岩田温1983
折本龍則1984、三荻祥1984?
小野耕資1985
長谷亮介1986、輿石逸貴1986
吉川里奈1987.5
KAZUYA1988.3
我那覇真子1989.8
茂木誠(生年不詳)
藤原かずえ(生年不詳)
清水ともみ(生年不詳・1997年漫画家デビュー)
保守系の組織
(消滅・変質したものを含む)
●日本民族主義の伝統的右翼
大東塾・不二歌道会
●親米反共愛国主義右翼
大日本愛国党
●戦前の日本学生協会・精神科学研究所の系譜を継ぐ保守系団体
社団法人国民文化研究会
●反共的な国際文化団体であった文化自由会議:The Congress for Cultural Freedom (CCF) の実質的な日本支部
日本文化フォーラム
●保守系知識人の文化団体
日本文化会議
●民族派学生組織と楯の会
日本学生同盟
生長の家学生会全国総連合
全国学生自治体連絡協議会(→日本青年協議会)
楯の会
三島由紀夫研究会(日本学生同盟を母体とし、憂国忌などを主催)
●新右翼
一水会
経団連襲撃事件の“YP体制打倒青年同盟”
●生長の家と、分裂後の生長の家本流運動
生長の家
日本教文社
生長の家政治連合
谷口雅春先生を学ぶ会
ときみつる會
新教育者連盟
生長の家社会事業団
光明思想社
●日本会議の源流と日本会議関連組織
日本を守る会
元号法制化実現国民会議
日本を守る国民会議
日本会議
日本会議国会議員懇談会
日本会議地方議員連盟
「21世紀の日本と憲法」有識者懇談会
「日本の教育改革」有識者懇談会
美しい日本の憲法をつくる国民の会
皇室の伝統を守る国民の会
明治の日推進協議会
日本女性の会
●日本会議を構成する主な組織
神社本庁
神道政治連盟
神宮
明治神宮
比叡山延暦寺
解脱会
念法眞教
佛所護念会教団
崇教真光
大和教団
倫理研究所
公益財団法人オイスカ
モラロジー道徳教育財団
英霊にこたえる会
日本遺族会
公益財団法人 陸修偕行社
日本郷友連盟
日本教師会
公益社団法人 国民文化研究会
日本青年協議会・日本協議会
●保守系の教科書問題関連組織
自由主義史観研究会
新しい歴史教科書をつくる会
日本教育再生機構
教育再生首長会議
改正教育基本法に基づく教科書改善を進める有識者の会
※戦後の保守系の教科書は、日本を守る国民会議の編集による『新編日本史』(原書房)が1986年5月に内閲本審査に合格したのが最初であると思われる。
●行動する保守
在日特権を許さない市民の会
主権回復を目指す会
●その他の保守系組織
大倉精神文化研究所
日本国体学会
憲法学会
日本国史学会
歴史認識問題研究会
憲法改正発議研究会
民族文化研究会
大アジア研究会
国家基本問題研究所
日本政策研究センター
救国シンクタンク
一般社団法人 日本令和研究所
慰安婦の真実国民運動
国際歴史論戦研究所
不当な日本批判を正す学者の会
日本の真の独立を目指す有識者会議
皇統を守る会
なでしこアクション
歴史の真実を求める世界連合会
史実を世界に発信する会
頑張れ日本!全国行動委員会
日本保守党(元祖)
英霊の名誉を守り顕彰する会
外国人参政権に反対する市民の会
テキサス親父日本事務局
論破プロジェクト
尖閣諸島を守る会
親学推進協会
親学推進議員連盟
●その他の保守系国会議員の組織
みんなで靖国神社に参拝する国会議員の会
平和を願い真の国益を考え靖国神社参拝を支持する若手国会議員の会
北朝鮮に拉致された日本人を早期に救出するために行動する議員連盟
日本の領土を守るため行動する議員連盟
日本の前途と歴史教育を考える議員の会
慰安婦問題と南京事件の真実を検証する会
日本ウイグル国会議員連盟
婚姻前の氏の通称使用拡大・周知を促進する議員連盟
創生「日本」
保守団結の会
日本の尊厳と国益を護る会
●国政政党
自由民主党
参政党
日本保守党
他にも多くの言論人などがいると思うが、キリがないので、これくらいにしておく。ご自分の支持する人や組織が、以上に列挙した中には見られないかもしれない。特に最近は保守を標榜する人や組織がネット上に溢れていて、全てをフォローすることは難しい状況である。筆者が知らない人や組織もあるだろう。また、以上に列挙した人々や組織の中には、これは保守とは認められないと思うような人や組織もあるかもしれない。
もし、関心をもって、これらの人々や組織について調べてみれば、戦後の保守界隈の動きが何となく分かるであろう。そして、信頼出来そうな人が見つかれば、その著書などを読んでみるとよいだろう。ただ、出来れば保守系に限らず広く様々な学者や専門家の論文にも目を配り、議論の全体像を把握するとなお良いだろう。と言うか、敢えて個人的な感想を言うと、保守言論人の言論を見ているだけでは、全ての真実を把握することは出来ないと思う。
何故なら、保守と見なされる信頼出来る学者の論文だけでは、日本史や世界史、内外の政治、思想、文化など全てを網羅することは出来ないからである。また、保守の評論家や研究家と自称する人が様々な分野に及んで言論を展開していることは実に多いし、専門家や学者であっても、専門外のことに論及している場合も多いのだが、そのような言論は、大雑把であったり、不正確だったり、先行研究を無視したり、自分の主張に合致する事実のみを取り上げている可能性があり、特に注意が必要である。もちろん、専門分野の学者の論文であっても、そういう不誠実な部分が垣間見えることはあるのだが。とにかくも、右であれ左であれ、ある狭い範囲の人々の言論を盲目的に信じ込むようなことにならないよう、注意することが肝要である。
ところで、こうして保守界隈の人々を俯瞰してみると、互いに批判しあったり、組織が分裂したりということがあったりして、そういうことが何も現在だけの問題ではないということが分かる。また、左翼から転向した人も昔から結構いて、そういう人が保守陣営の中で大きな地位を確立しているということもあり、こうした左翼からの転向も今更取り上げて云々するような問題ではないことが分かるだろう。
そもそも WGIP や戦後の日教組教育の影響を受けて、日本の国柄や天皇のこと、近現代史のことなどを十分に知ることなく生きてきた人々が、いろいろな保守系の言論に触れて、保守思想に目覚めるというパターンが多いと思われるが(筆者も含めて)、それも見方によっては、転向のようなものである。だから、そういう人が転向者を転向したことを以って批判する筋合いはないのではなかろうか。
また、個人的な感想として、敢えて言えば、保守系界隈ではお山の大将になりたがる人が多いように感じる。組織内で揉め事が起こったり、分裂したり、あるいは大同団結出来ずに似たような組織が乱立したりするのは、そういうところにも原因があるのではないかと思っている。
一応、上記の一覧において、分かる範囲で色分けしてみたのだが、生長の家・日本青年協議会関係の人々が多いのに驚く。恐らく、青色で示した人以外にも、生長の家の影響を受けた人がいることであろう。この人たちが中核となる日本会議が左翼から目の敵にされるのも、さもありなんという印象である。ただ、だからと言って、日本会議を生長の家・日本青年協議会が操っているという陰謀論のように考えて、彼らの動きを軽視するのはどうかと思う。むしろ、左翼から非常に警戒されるほどに、彼らが保守系国民運動において実績を上げているということに留意すべきであろう。何故、彼らがそれほどの人員とエネルギーを注ぎ込むことが出来るのか。元々の母体であった生長の家という教団自体が変質して政治活動から離れていることも考えれば、全く驚異的でさえある。そこには宗教というものの特質、すなわち熱烈な信仰が生み出すエネルギーというものがあるのであろうし、教祖である谷口雅春氏のカリスマ性というものもあるのであろうが、そうした月並みな推察だけでは足りないように感じる。
生長の家の教義では、「人間は神の子」、「中心帰一」、「万教帰一」、「一即多、多即一」、「唯心所現」などということが説かれるという。詳細は分からぬが、これは極めて汎神論的であり、しかも日本の大乗仏教の教えなどにも通じるものがあり、非常に日本人の精神性に合致するところがあるように思われる。また、大宅壮一氏が生長の家を「宗教のデパート」と評したらしいが、それほどに他の宗教との親和性が高く、多くの保守的宗教教団や社会教育団体を運動に巻き込むことに成功しているのも、そういう特質によるものではなかろうか。もし、生長の家が一神教的な排他的宗教であったなら、このような広がりのある国民運動を指向することは出来なかったであろう。
もう一つ、注目すべきと思われるのは、国民文化研究会である。戦前の東大における学風改革運動を淵源とし、非常に地道に活動し今日に至っているようである。そして、戦前からのメンバーだけでなく、戦後世代からも人材を世に送り出している。決して派手な面は無く、むしろ、このような団体が今日まで存続していること自体に驚く次第である。
なお、民主社会主義の人々(旧民社党系の人々)の中には、保守的な言論や活動に従事する人もいた。上に列挙した中では、蠟山政道、関嘉彦、武藤光朗、猪木正道、塚本三郎、西村眞悟、荒木和博が民社党系である。
また、もう一言、個人的な感想を言わせてもらうと、戦後の保守勢力において、極めて大きな影響力があった、巨星とも言うべき人は、三島由紀夫と葦津珍彦だったのではないかと思う。三島は身命を賭して行動し、その言論と行動は当時の保守系文化人や民族派学生に多大な影響を与えたし、葦津は保守思想の根幹にある、天皇、宮中祭祀、神道、政教関係などについて、理論的支柱として活躍した。そして、両人ともに、左翼からも一目置かれる存在であった。
上に列挙した人々や組織には、それぞれ長所短所などもあると思われるが、こうした多くの人々の活動の歴史の上に、今日の保守勢力があることを心に留めておきたいと思う。
以上
例えば、ある保守を標榜する政党から国政選挙に立候補した経験をもつ人は、当初は藤岡信勝氏や西尾幹二氏のことを知らなかったと言っていたように記憶する。また、国連でリベラル勢力に対抗して活動を展開する人は、動画のチャット欄に出てきた「小堀桂一郎」という名前について、知らないと言っていた。昭和の時代から活動している保守界隈の人から見れば、???という感じに見えるだろう。
そのようなところから考えると、今日の保守と呼ばれる勢力の中には、従来の流れとは異なる新たな勢力が生じているのだと思われる。そして、それら新旧の勢力が互いに交流し、大同団結するのなら良いのだが、実態はそうではなく、個々の勢力が自らの目の届く狭い範囲で活動し、専らその支援者との関係の中でしか情報の授受を行っていないように見受けられるのである。もちろん、彼らはネットの中で発信しているので、それは誰にでも見ることが出来るのであるが、実際には広く社会に周知されてはおらず、視聴者は極一部に限られている。だから、前述した政党の問題についても、恐らく論壇誌が取り上げて、それによって初めて知ったという人も多いのではあるまいか。そして、論壇誌がこの問題に関する論考を掲載しても、そもそも保守系論壇誌を読む人口が限られているのであるから、未だこうした問題は国民一般には認識が広がっていないと見てよいだろう。
もちろん、そうした新たな勢力の中には、黙々と地道に活動を行い、国内外で左翼勢力と対峙している人たちもいることは、銘記する必要がある。また、ネットでの情報の授受を基盤として、草の根的に地域に根差した活動を展開している人々もいるようだ。それらの活動は、従来の組織運動を基本とする保守勢力とは異なる形態であるが、ネットを活用した素早い情報発信と連携が可能な運動として、注目に値すると思われる。
さて、このように保守と見られている勢力において、新旧様々な流れがある現状を思うと、そうした流れについて、俯瞰してみることも若干の意味があるように感じる。そこで、戦後において、保守系であると一般的に思われている論客や活動家、学者、文化人などには、どのような人々がいるのか、思いつくままに以下に列挙してみることにする。
基本的に Wikipedia などで調べた生年順に列挙する。また、保守派の範疇に入るかどうか分からぬが、比較的近い人も含む。
保守系と一般的に認識されていると思われる人々(その近縁と思われる人も含む、敬称略)
※赤字は左翼からの転向者、青字は生長の家または日本青年協議会関係者、緑字は国民文化研究会関係者。
※個々の氏名の後に、分かる範囲で生年月を記載した。
※いずれの内容もネット上の情報から判断したので、間違いがあるかもしれないことを、お断りしておく。
佐々木惣一1878.3
大倉邦彦1882.4
三井甲之1883.10
出光佐三1885.8
緒方竹虎1888.1、小泉信三1888.5
朝比奈宗源1891.1
富岡盛彦1892.1
谷口雅春1893.11
平泉澄1895.2、蠟山政道1895.11
山本勝市1896.3、岸信介1896.11
里見岸雄1897.3、瀧川政次郎1897.5
安岡正篤1898.2
赤尾敏1899.1、笹川良一1899.5、木内信胤1899.7、池田勇人1899.12
高坂正顕1900.1、西谷啓治1900.2
佐藤栄作1901.3、岡潔1901.4、浅野晃1901.8、坂本太郎1901.10
田中美知太郎1902.1、河上徹太郎1902.1、小林秀雄1902.4、斎藤忠1902.12(国際政治評論家)
大石義雄1903.1、加瀬俊一1903.1、石田和外1903.5、林房雄1903.5、竹山道雄1903.7
桜田武1904.3、源田実1904.8
高山岩男1905.4、田中忠雄1905.9
田中清玄1906.3
山岡荘八1907.1、清水幾太郎1907.7、副島羊吉郎1907
気賀健三1908.10
葦津珍彦1909.7
法眼晋作1910.2、保田與重郎1910.4、影山正治1910.6、下村治1910.11、宇野精一1910.12
田中正明1911.2、児玉誉士夫1911.2、瀬島龍三1911.12
福田恆存1912.8、関嘉彦1912.11
林健太郎1913.1、副島廣之1913、鈴木重信1913?(元神奈川県教育長)
小田村寅二郎1914.3、武藤光朗1914.3、村尾次郎1914.9、猪木正道1914.11
山本夏彦1915.6、夜久正雄1915
会田雄次1916.3、勝部真長1916.3
中曽根康弘1918.5、戸田義雄1918.6
山本舜勝1919.2、中村菊男1919.11
塚本幸一1920.9
山田輝彦1921
小野田寛郎1922.3、佐伯彰一1922.4、西義之1922.5、末次一郎1922.10
名越二荒之助1923.3、千玄室1923.4、金城和彦1923.7(国士舘大学元教授)、三波春夫1923.7、小田村四郎1923.10、石井公一郎1923.11、田中卓1923.12、小柳陽太郎1923
高田好胤1924.3、板垣正1924.7、岡野弘彦1924.7、鶴田浩二1924.12
三島由紀夫1925.1、中川一郎1925.3、鈴木明1925.10
三浦朱門1926.1、加藤寛1926.4、渡邉恒雄1926.5
神谷不二1927.1、小林昭三1927.3、塚本三郎1927.4、三好達1927.10、佐藤和男1927
勝田吉太郎1928.2、田中健五1928.6
黛敏郎1929.2、村松剛1929.3、松原正1929.12
三宅久之1930.1、竹村健一1930.4、岡崎久彦1930.4、渡部昇一1930.10、俵孝太郎1930.11、日下公人1930.12、佐々淳行1930.12
岡田英弘1931.1、すぎやまこういち1931.4、芳賀徹1931.5、平川祐弘1931.7、曽野綾子1931.9
屋山太郎1932.6、佐藤誠三郎1932.7、竹本忠雄1932.7、村上正邦1932.8、石原慎太郎1932.9、伊藤隆1932.10、木村治美1932.11、江藤淳1932.12
香山健一1933.1、田久保忠衛1933.2、小林正1933.4、小堀桂一郎1933.9、目良浩一1933.10
金美齢1934.2、山崎正和1934.3、中村粲1934.4、佐藤欣子1934.4、高坂正堯1934.5、佐瀬昌盛1934.12
野村秋介1935.2、西尾幹二1935.7、志水速雄1935.9、入江隆則1935.9
西岡武夫1936.2、加地伸行1936.4、中嶋嶺雄1936.5、亀井静香1936.11、加瀬英明1936.12
森喜朗1937.7、西原正1937.8
伊藤憲一1938.3、村松英子1938.3、ヘンリー・スコット・ストークス1938.6、井尻千男1938.8
西部邁1939.3、渡辺利夫1939.6、平沼赳夫1939.8、安東巌1939
津川雅彦1940.1、中山恭子1940.1、西修1940.6
古森義久1941.3、杉原誠四郎1941.7、黒田勝弘1941.10、所功1941.12、西鋭夫1941.12、茂木弘道1941
田中英道1942.2、山東昭子1942.5、高池勝彦1942.8、花田紀凱1942.9、今谷明1942.9、大原康男1942、髙山正之1942、長尾一紘1942
山口二矢1943.2、中山成彬1943.6、鈴木邦男1943.8、竹花光範1943.10、藤岡信勝1943.10、小山孝雄1943.12、持丸博1943
阿羅健一1944
東郷茂彦1945.1、福地惇1945.3、森田必勝1945.7、櫻井よしこ1945.10、岡本行夫1945.11、椛島有三1945、中川八洋1945
長谷川三千子1946.3、宮崎正弘1946.7、百地章1946.10、田村秀男1946、渡辺和靖1946、松井嘉和1946、佐藤和夫1946(元陸上自衛官)
中西輝政1947.6、伊藤哲夫1947.9、衛藤晟一1947.10、東中野修道1947.10、古賀勝次郎1947、山下英次1947、松本淳一郎1947、皿木喜久1947
松浦芳子1948.2、西村眞悟1948.7、田母神俊雄1948.7、北村稔1948、犬塚博英1948、阿部雅美1948、髙井康行1948?
浜谷英博1949.4、水島総1949.6、やしきたかじん1949.10、森田健作1949.12、佐伯啓思1949.12、仲間均1949、室谷克実1949
矢野義昭1950.1、阪本是丸1950.2、山谷えり子1950.9、高橋史朗1950、西村修平1950、占部賢志1950、松木国俊1950
村田春樹1951.3、大石眞1951.8、石濱哲信1951
織田邦男1952.1、ケント・ギルバート1952.5、青山繁晴1952.7、藤井厳喜1952.8、宮脇淳子1952.9、古屋圭司1952.11、西村幸祐1952、田中秀雄1952
長谷川幸洋1953.1、新保祐司1953.5、古田博司1953.7、中川昭一1953.7、小林よしのり1953.8、宮家邦彦1953.10、田浦雅徳1953.11、名越健郎1953、布瀬雅義(伊勢雅臣)1953
惠隆之介1954.2、安倍晋三1954.9、渡辺惣樹1954
本田悦朗1955.1、渡部悦和1955.8、高橋洋一1955.9、世良公則1955.12、畠山圭一1955、椎谷哲夫1955、小柳志乃夫1955
坂元一哉1956.1、百田尚樹1956.2、北村晴男1956.3、西岡力1956.4、松原仁1956.7、荒木和博1956.8、竹内久美子1956、川口マーン惠美1956
岩田清文1957.2、島田洋一1957.10、松田学1957.11、富岡幸一郎1957.11、勝岡寛次1957、高森明勅1957、谷口智彦1957、秀道広1957?(広島大学名誉教授)、加賀孝英1957
山田宏1958.1、伊藤俊幸1958.3、門田隆将1958.6、新田均1958.6、西田昌司1958.9、上島嘉郎1958
加藤康子1959.1、兼原信克1959.1、岸信夫1959.4、片山さつき1959.5、松浦光修1959、内田智1959?(弁護士)、一二三朋子1959、荒谷卓1959
潮匡人1960.3、高鳥修一1960.9、福田和也1960.10、佐藤正久1960.10、三浦小太郎1960.11、打越孝明1960、小川清史1960
高市早苗1961.3、宮嶋茂樹1961.5、赤池誠章1961.7、田中秀臣1961.9、山上信吾1961.9
石平1962.1、長島昭久1962.2、八木秀次1962.3、山田吉彦1962.9、長尾敬1962.11、江崎道朗1962
萩生田光一1963.8、井上和彦1963.9
藤木俊一1964、佐々木類1964、小島新一1964?(「正論」元編集長)、山本優美子1964?、伊藤祐靖1964
城内実1965.4、赤尾由美1965.5、安達誠司1965.7、吉村剛史1965、有元隆志1965
阿比留瑠比1966.3、石橋文登1966、石井望1966
内藤陽介1967.1、杉田水脈1967.4、小川榮太郎1967.5、福島香織1967.5、中山義隆1967.6、坂東忠信(ときたひろし)1967、三枝玄太郎1967
濱口和久1968.10、藤井聡1968.10、川瀬弘至1968
上念司1969.5、木原稔1969.8、大高未貴1969
葛城奈海1970.2、桜林美佐1970.4、有村治子1970.9、田北真樹子1970
施光恒1971、佐々木正明1971、宮田昌明1971
桜井誠1972.2、半井小絵1972.12、藤井実彦1972
倉山満1973.12、仲新城誠1973
鈴木英敬1974.8、和田政宗1974.10、居島一平1974.10、小林鷹之1974.11
千葉麗子1975.1、飯田泰之1975.7、金子宗徳1975.7、竹田恒泰1975.10、近藤倫子1975.11、宇山卓栄1975
飯山陽1976.2
浜田聡1977.5、神谷宗幣1977.10、ジェイソン・モーガン1977
はすみとしこ1978.2
佐波優子1979
久野潤1980.8
渡瀬裕哉1981.11
塩入清香(saya)1982.7
岩田温1983
折本龍則1984、三荻祥1984?
小野耕資1985
長谷亮介1986、輿石逸貴1986
吉川里奈1987.5
KAZUYA1988.3
我那覇真子1989.8
茂木誠(生年不詳)
藤原かずえ(生年不詳)
清水ともみ(生年不詳・1997年漫画家デビュー)
保守系の組織
(消滅・変質したものを含む)
●日本民族主義の伝統的右翼
大東塾・不二歌道会
●親米反共愛国主義右翼
大日本愛国党
●戦前の日本学生協会・精神科学研究所の系譜を継ぐ保守系団体
社団法人国民文化研究会
●反共的な国際文化団体であった文化自由会議:The Congress for Cultural Freedom (CCF) の実質的な日本支部
日本文化フォーラム
●保守系知識人の文化団体
日本文化会議
●民族派学生組織と楯の会
日本学生同盟
生長の家学生会全国総連合
全国学生自治体連絡協議会(→日本青年協議会)
楯の会
三島由紀夫研究会(日本学生同盟を母体とし、憂国忌などを主催)
●新右翼
一水会
経団連襲撃事件の“YP体制打倒青年同盟”
●生長の家と、分裂後の生長の家本流運動
生長の家
日本教文社
生長の家政治連合
谷口雅春先生を学ぶ会
ときみつる會
新教育者連盟
生長の家社会事業団
光明思想社
●日本会議の源流と日本会議関連組織
日本を守る会
元号法制化実現国民会議
日本を守る国民会議
日本会議
日本会議国会議員懇談会
日本会議地方議員連盟
「21世紀の日本と憲法」有識者懇談会
「日本の教育改革」有識者懇談会
美しい日本の憲法をつくる国民の会
皇室の伝統を守る国民の会
明治の日推進協議会
日本女性の会
●日本会議を構成する主な組織
神社本庁
神道政治連盟
神宮
明治神宮
比叡山延暦寺
解脱会
念法眞教
佛所護念会教団
崇教真光
大和教団
倫理研究所
公益財団法人オイスカ
モラロジー道徳教育財団
英霊にこたえる会
日本遺族会
公益財団法人 陸修偕行社
日本郷友連盟
日本教師会
公益社団法人 国民文化研究会
日本青年協議会・日本協議会
●保守系の教科書問題関連組織
自由主義史観研究会
新しい歴史教科書をつくる会
日本教育再生機構
教育再生首長会議
改正教育基本法に基づく教科書改善を進める有識者の会
※戦後の保守系の教科書は、日本を守る国民会議の編集による『新編日本史』(原書房)が1986年5月に内閲本審査に合格したのが最初であると思われる。
●行動する保守
在日特権を許さない市民の会
主権回復を目指す会
●その他の保守系組織
大倉精神文化研究所
日本国体学会
憲法学会
日本国史学会
歴史認識問題研究会
憲法改正発議研究会
民族文化研究会
大アジア研究会
国家基本問題研究所
日本政策研究センター
救国シンクタンク
一般社団法人 日本令和研究所
慰安婦の真実国民運動
国際歴史論戦研究所
不当な日本批判を正す学者の会
日本の真の独立を目指す有識者会議
皇統を守る会
なでしこアクション
歴史の真実を求める世界連合会
史実を世界に発信する会
頑張れ日本!全国行動委員会
日本保守党(元祖)
英霊の名誉を守り顕彰する会
外国人参政権に反対する市民の会
テキサス親父日本事務局
論破プロジェクト
尖閣諸島を守る会
親学推進協会
親学推進議員連盟
●その他の保守系国会議員の組織
みんなで靖国神社に参拝する国会議員の会
平和を願い真の国益を考え靖国神社参拝を支持する若手国会議員の会
北朝鮮に拉致された日本人を早期に救出するために行動する議員連盟
日本の領土を守るため行動する議員連盟
日本の前途と歴史教育を考える議員の会
慰安婦問題と南京事件の真実を検証する会
日本ウイグル国会議員連盟
婚姻前の氏の通称使用拡大・周知を促進する議員連盟
創生「日本」
保守団結の会
日本の尊厳と国益を護る会
●国政政党
自由民主党
参政党
日本保守党
他にも多くの言論人などがいると思うが、キリがないので、これくらいにしておく。ご自分の支持する人や組織が、以上に列挙した中には見られないかもしれない。特に最近は保守を標榜する人や組織がネット上に溢れていて、全てをフォローすることは難しい状況である。筆者が知らない人や組織もあるだろう。また、以上に列挙した人々や組織の中には、これは保守とは認められないと思うような人や組織もあるかもしれない。
もし、関心をもって、これらの人々や組織について調べてみれば、戦後の保守界隈の動きが何となく分かるであろう。そして、信頼出来そうな人が見つかれば、その著書などを読んでみるとよいだろう。ただ、出来れば保守系に限らず広く様々な学者や専門家の論文にも目を配り、議論の全体像を把握するとなお良いだろう。と言うか、敢えて個人的な感想を言うと、保守言論人の言論を見ているだけでは、全ての真実を把握することは出来ないと思う。
何故なら、保守と見なされる信頼出来る学者の論文だけでは、日本史や世界史、内外の政治、思想、文化など全てを網羅することは出来ないからである。また、保守の評論家や研究家と自称する人が様々な分野に及んで言論を展開していることは実に多いし、専門家や学者であっても、専門外のことに論及している場合も多いのだが、そのような言論は、大雑把であったり、不正確だったり、先行研究を無視したり、自分の主張に合致する事実のみを取り上げている可能性があり、特に注意が必要である。もちろん、専門分野の学者の論文であっても、そういう不誠実な部分が垣間見えることはあるのだが。とにかくも、右であれ左であれ、ある狭い範囲の人々の言論を盲目的に信じ込むようなことにならないよう、注意することが肝要である。
ところで、こうして保守界隈の人々を俯瞰してみると、互いに批判しあったり、組織が分裂したりということがあったりして、そういうことが何も現在だけの問題ではないということが分かる。また、左翼から転向した人も昔から結構いて、そういう人が保守陣営の中で大きな地位を確立しているということもあり、こうした左翼からの転向も今更取り上げて云々するような問題ではないことが分かるだろう。
そもそも WGIP や戦後の日教組教育の影響を受けて、日本の国柄や天皇のこと、近現代史のことなどを十分に知ることなく生きてきた人々が、いろいろな保守系の言論に触れて、保守思想に目覚めるというパターンが多いと思われるが(筆者も含めて)、それも見方によっては、転向のようなものである。だから、そういう人が転向者を転向したことを以って批判する筋合いはないのではなかろうか。
また、個人的な感想として、敢えて言えば、保守系界隈ではお山の大将になりたがる人が多いように感じる。組織内で揉め事が起こったり、分裂したり、あるいは大同団結出来ずに似たような組織が乱立したりするのは、そういうところにも原因があるのではないかと思っている。
一応、上記の一覧において、分かる範囲で色分けしてみたのだが、生長の家・日本青年協議会関係の人々が多いのに驚く。恐らく、青色で示した人以外にも、生長の家の影響を受けた人がいることであろう。この人たちが中核となる日本会議が左翼から目の敵にされるのも、さもありなんという印象である。ただ、だからと言って、日本会議を生長の家・日本青年協議会が操っているという陰謀論のように考えて、彼らの動きを軽視するのはどうかと思う。むしろ、左翼から非常に警戒されるほどに、彼らが保守系国民運動において実績を上げているということに留意すべきであろう。何故、彼らがそれほどの人員とエネルギーを注ぎ込むことが出来るのか。元々の母体であった生長の家という教団自体が変質して政治活動から離れていることも考えれば、全く驚異的でさえある。そこには宗教というものの特質、すなわち熱烈な信仰が生み出すエネルギーというものがあるのであろうし、教祖である谷口雅春氏のカリスマ性というものもあるのであろうが、そうした月並みな推察だけでは足りないように感じる。
生長の家の教義では、「人間は神の子」、「中心帰一」、「万教帰一」、「一即多、多即一」、「唯心所現」などということが説かれるという。詳細は分からぬが、これは極めて汎神論的であり、しかも日本の大乗仏教の教えなどにも通じるものがあり、非常に日本人の精神性に合致するところがあるように思われる。また、大宅壮一氏が生長の家を「宗教のデパート」と評したらしいが、それほどに他の宗教との親和性が高く、多くの保守的宗教教団や社会教育団体を運動に巻き込むことに成功しているのも、そういう特質によるものではなかろうか。もし、生長の家が一神教的な排他的宗教であったなら、このような広がりのある国民運動を指向することは出来なかったであろう。
もう一つ、注目すべきと思われるのは、国民文化研究会である。戦前の東大における学風改革運動を淵源とし、非常に地道に活動し今日に至っているようである。そして、戦前からのメンバーだけでなく、戦後世代からも人材を世に送り出している。決して派手な面は無く、むしろ、このような団体が今日まで存続していること自体に驚く次第である。
なお、民主社会主義の人々(旧民社党系の人々)の中には、保守的な言論や活動に従事する人もいた。上に列挙した中では、蠟山政道、関嘉彦、武藤光朗、猪木正道、塚本三郎、西村眞悟、荒木和博が民社党系である。
また、もう一言、個人的な感想を言わせてもらうと、戦後の保守勢力において、極めて大きな影響力があった、巨星とも言うべき人は、三島由紀夫と葦津珍彦だったのではないかと思う。三島は身命を賭して行動し、その言論と行動は当時の保守系文化人や民族派学生に多大な影響を与えたし、葦津は保守思想の根幹にある、天皇、宮中祭祀、神道、政教関係などについて、理論的支柱として活躍した。そして、両人ともに、左翼からも一目置かれる存在であった。
上に列挙した人々や組織には、それぞれ長所短所などもあると思われるが、こうした多くの人々の活動の歴史の上に、今日の保守勢力があることを心に留めておきたいと思う。
以上








